「俺だ。は?明日?いつも急に言って来るのやめろ。お前と違って、俺は学校あんだぞ。午前だけって…はぁ。仕方ねぇなぁ」
ここまで話した時に、萌々が本当に寝てるか確認をしたくて、ソファの前に回る。そして――絶句した。
なぜなら、萌々の姿はなくて、俺の服の抜け殻だけがあったから。
「――悪ぃ、急用が出来た。切るぞ、明日はちゃんと行く」
ブツッと電話を切る。服は適当に着て、すぐに玄関へ向かった。
その時、スマホを持って行こうとして、やめた。だってアイツ、スマホ持ってねーだろ?今日の買い物でスマホを買わなかった自分を恨む。
帽子もサングラスも。いつもなら身につける、それらの存在も目に入らないほど。俺は急いでいた。
「出て行ったのかよ、クソ…。
なんでだ、萌々…!」
寒さも感じなかった。唯一感じたのは、焦り。ドクドクとうるせぇくらいに、心臓が悲鳴をあげる。
だけど、そんな俺に、