中三の冬。


第一志望の推薦に選ばれ面接に行った帰りの事。迎えの車になぜか玲央も乗っていた。



『高校受験ご苦労様~』

『ご苦労様って…お前は本当に何もしねぇんだな玲央』



『うん。だって俺が学校に行くと皆遠慮するんだもん。発作ださないようにって先生まで特別待遇してくるから肩身狭くてさ。もう学校は行きたくなーい』

『って言ってるけど?』



そう言った俺の言葉に、車を運転していた母親が「仕方ないわねぇ」とため息をついた。どうやら容認するらしい。



『両親が寛大で良かったな』

『まあ他の事を頑張るよ。家にずっといるのも暇だしね』



玲央はニコッと笑って外を眺めた。信号は赤。ちょうど広場を横に、俺たちを乗せた車は止まった。