「(皇羽さん…どうしましょう、私……っ)」



皇羽さんに触られていた箇所を、私も触る。その時にふわっと、何かを焼いたスモークの匂いがした。香ばしい匂い…。



「どこかで覚えのある匂い…ん?」



突如、ピロンとスマホが鳴る。私と一緒にトイレに入ったスマホが、メールの通知を知らせていた。



「差出人は、皇羽さん?写真が添付してある」



タップして開いて…そして顔を青くする。

だって、そこには…



「あ、あの…皇羽さん、見ました…?」

「出てきたらたっぷり話を聞かせてもらうからな。どういう理由で今まで玲央とデートをしてたのかって事を」

「誤解です、誤解ですから!」



写真は、今日喫茶店の中で話をしている私と玲央さんのツーショット。画質が無駄に良いのが腹が立つ!



「これは、その…事情があって!今まさに言おうとしてて!」

「怜央とデートしてきて遅くなりましたって?」

「ち、違います!」



その後、完璧に拗ねてしまった皇羽さんと話をするまでに時間を要し…。


結局。


全てのことを話した後…


私はアルバイトを大反対されるのでした。