「さっき言ったろ?”分からせる”って」

「だから何を…んッ⁉」



全て言い終わらないまま、皇羽さんは私の唇を塞ぐ。


外から帰って来たばかりの皇羽さんの唇が、ひんやりと冷たくて…少しだけ気持ちが良い…なんて思ってしまった。



「…は、ぁ」

「萌々、俺はな」

「んぅ…っ」



何度もキスを重ねる。だけど器用に、皇羽さんは……こう言った。




「お前の事が好きなんだよ」

「っ!」




耳元で呟かれた言葉。

私から離れていく時の切ない表情。

もう一度キスしたそうな物足りない瞳。



それだけで、もう充分に――




「(本気…なんですか…、っ)」




皇羽さんが私の事をどれだけ好きか。



いやというほど、分かってしまったの。