「早く逃げなかった皇羽さんも悪いですよ⁉寝てる私の傍で、何モサッとしてたんですか!」

「! なんでもねぇよ…」

「(お、急に大人しくなった)」



どうやら何かやましい事をしていたらしい皇羽さんは、痛い所を突かれて静かになった。


よし。大人しい今のうちに、皇羽さんの手首の湿布を貼りなおそう。


ついでに何かマークを書いとこうかな。ちょうちょの仕返しに!



そして私は、今日こそ学校に行くんだ!現在、朝の七時半。がんばれ、間に合う!



「ところで皇羽さんは、何時の電車に乗ってるんですか?調べたところ、私の学校、皇羽さんの学校と近いみたいで。駅も一つしか違いません。

だから、日によっては一緒に行ける日もあるんじゃないかと思うのですが」



皇羽さんの手首の湿布を、新しいのに貼りなおしながら提案する。


だけど皇羽さんは「あ~」と言って湿布が貼られたのを確認した後、自室のレバーに手を掛けた。