その2
亜咲


夏美とのセットは達美がしてくれ、この元盟友とも忌憚なく私の気持ちと事情、その両方を話した

そしたら、達美同様、私の復帰事案にはもろ手あげての賛意をもらってね

感謝だよ、ホント…

それにしても…、彼女は今の南玉連合で本当にしんどい思いで頑張ってるようだった

その辺は、短い時間でもビンビン伝わって来たよ

夏美、見かけによらず剛腕だから、誤解されやすいとこもあるし

特に、こういう波風が起こりかけてる時には、注目を一身に浴びる立場だ

私や達美はともかく、反感抱く連中はやはりいるって訳か

そうとなれば、私もできる範囲でサポートしなきゃ…

短期間ではあるけど


...


幹部会は10日後になりそうだと夏美から聞いて、今日は別れた

私はその足で、逆髪神社までバイクを飛ばした

今日は、レッドドッグス最初の集まりがある

なんか、入学式に行くみたいな気分だ

まったく、今さらって感じで気恥ずかしいけど、ハハハ


...



「亜咲さーん!待ってましたよ!」

神社の階段下では、すでにメンバーが揃っていた

みんな、新品のバイクを嬉しそうににいじってるわ(笑)

「この方が、レッドドッグスのトップを引き受けてくれた、高原亜咲先輩だ。まあ、言うまでもない有名人だから、みんな知ってると思うけど…」

麻衣がそう言って紹介してくれた

「高原です。たぶん、短期間になると思うけど、できる限りはやるつもりです。よろしく…」

そう言うと、全員が拍手して、私を歓迎してくれた

かなり照れくさいが、単純にうれしいもんだな、こういうのって…


...



結成時のメンバーは私を入れて11人だった

大河原高校の子が6人で、残りも含め、全員初心者らしい

まずは、安全面を軸にしたバイクの扱いからか…

その日はもう、いろはのいから”講義”しちゃったよ

もう、みんな真剣そのもので聞いてた

目も爛々だし、学校の授業もこうだったら成績凄いよ、きっと(笑)

いや~、結構、大変な役目引き受けちゃったかなあ

とは言え、なんか久しぶりなんだよ、こうやって多くの人間と集まって…

充実感てやつか

いいもんだな、やっぱり…