その2
麻衣


私は月曜日から、即着手した

まずはチーム立ち上げだ

チームの名称はすでに決めていた

"レッド・ドッグス"…

そのものズバリだ

発足メンバーは、やはり10人は欲しい

他のチームと対等張るには最低ラインだろう

とりあえず、"あの場"にいた久美ら3人は無論、幹部だ

そして、肝心のアタマだけど、それは私じゃない

当面は高原亜咲さん、この人しかいない…


...


亜咲さん…

あの人とは”あのあと”も、ロックモータースで時たま会っていたけど…

確かに亜咲さんがトップの顔なら、プレッシャーが効く

東京モンと南玉連合、両方に…

なんと言っても、あの人は走りじゃ敵なしだもん

それにオーラが違う

伝説の人っていう感じだよ

でも…、あの人には違った意味で私の作ったチームを仕切って欲しいんだ

例え、短い期間でも…

私は、あの時の亜咲さんの言葉を思いだしていたよ

あの日を…


...


あれは、亜咲さんからの話というより告白だった

唐突だったので、やはりショックは受けた

しかも、隣の姉妹同然の子には事前に相談してて、私には事後報告だったし…

いや、今年に入って言葉を交わすようになった間柄の私とその子とは所詮、心の通じあった年季が違う

それは仕方ないし、亜咲さんには全然他意はないさ

それどころか、真っ先にこんな私へ自分から重大な決断を告げてくれて感謝してる

率直に嬉しいよ

だが、その子への感情となると別問題だ

やっかみはよくないが、いつもの如き、何クソだ!

そんなことが頭の中で整理着くと、私は”あのこと”が口から飛び出ていたんだ

ついに…