俺はふと思い出したことを言うと、琴美の方に顔を向けていたふたりが顔を上げた

「琴美、そんなこと言ってたの?」

「あぁ、1年生の時、屋上でサボってなかなか来なかった時あったろ?そんときにな、ぼそっと、俺にだけ言ってくれて」

ふと思えばあの時、気づいてあげられたら、なにか出来たのだろうか?

「お前がクヨクヨしててどうする。琴美が起きてた突っ込まれてたぞ」

楓は右隣から俺の頬を掴む

「いひゃいんだけど」(痛いんだけど)

「俺だって辛い、琴美がなかなか起きないのは。だけど、琴美が起きた時にお前が落ち込んでたら琴美はなんて言うと思う?一緒に悲しい顔になるぞ。だから、笑顔でいた方が琴美も、笑顔になるぞ」

それもそうか

「そうだな。楓、サンキュー」

楓のおかげで少し元気が出たかもしれねぇ

すごいな。楓は