「琴美、あそこにドアが見えるだろ?」

お父さんの後ろには今まで見えなかったドアがぽつんとそびえ立っていた

「あそこへ行く時は振り返らない方がいい」

「さっき言ってたこと?」

「そうだ」

お父さんは私の腰に手を添えると

「あそこまで歩いてドアを開ければ琴美は生きて帰られる。友達が待ってるから早く行ってあげな」

「お父さんは?行かないの?」

「俺は行けるならもう行ってる!でも父さんはもう魂がないから戻ることは出来ない。でも琴美たちのことずっとここから見てるから大丈夫だよ」

「お父さん……。分かった。お父さんの言うことに従うよ」

「あぁ、ほら早く行きな」

私は言われたとおり、ドアまで歩いていくと、ドアを開けた

「うっ、眩しい」

ドアの外に行くとみんながいた