ふわふわと真っ白い世界を歩いているようなそんな感覚に陥ってる

上も下も左も右も見回したけど、一面真っ白な世界なんて初めて見た

私の視線の先には見覚えのない細身の男性

でも、かおは見えなくてモヤがかかってるようなそんな感じだ

あなたは誰?

『大きくなったな、琴美、俺のこと覚えてるか?って聞きたいところだけど、ことちゃんは小さかったもんな』

小さい時に少しだけ聞いたことある、というか聞き覚えのある声

それに懐かしい呼び方をされた

でも誰だかはっきりと思い出せないの

「あなたは、だれ?」

その細身の男性は微笑むように笑った

『小さい時だったからまぁ、当然かな』

と、少し悲しげにも笑った男の人

近づこうと歩き出したけど、一向にその男性は近くならない

むしろどんどん遠くなってるような、そんな感じ