六月の月に愛を誓う。

たしかに律希の隣にいた時だって私は幸せだったんだ。

この気持ちだけは絶対に忘れたくない…。


「ばいばい、美緒先輩」


律希はもう、私を優しく撫でてはくれない。

少しだけ悲しそうに、優しく微笑んで律希は教室を出て行った。



「本当によかったの?」


美緒先輩の教室を出ると、壁に寄りかかるようにして沙耶が立っていて驚いて思わず声を出しかけた。


「び…っくりしたー…。なに、聞いてたの?」

「たまたま通っただけ」


沙耶はすっかり俺にぶりっ子をしてくることはなくなり、今の方がずっとよかった。


「別れたくない、とか、散々振り回した挙句元カレに気持ちが戻りましたなんて最低、とかもっと言うことがあったんじゃないの?」


なんて、俺がそんなことを言ったらこいつはきっと怒るくせに。

沙耶は今じゃすっかり俺の次くらいには美緒先輩に対する想いが強くなって慕っている。