六月の月に愛を誓う。

「この日常を壊したくないって、そう思ってたのに。いつからか、律希の隣にいても私は違う人のことばかり考えるようになって…違う。いつからかなんて、ずっと前から。ずっと忘れられない人がいるの。それなのに思い出すのが怖くて、苦しみたくなくて、私は逃げてた。逃げた先で出逢った律希の隣は、離れたくないほど幸せで無邪気に笑う顔とか、たまに見せる男っぽい言動とか全部が好きだった」


きっと律希の隣だったら、いつか来るかもしれない別れに怯えなくてもすむ。

律希がどれだけ私のことを好きでいてくれたか、私はもう知っているから。


「…だけど、やっぱり私は絢斗の隣にいた時の幸せがどうしても忘れられない。何にも代えられないくらい、大切で宝物の日常だったの。苦しくて悲しいこともたくさんあって、決して楽しいことばかりじゃなかったけど、心のどこかでもう一度あの日々に戻りたいと願っている自分が今もまだいる。私の望む幸せは、もう一度絢斗の隣であの日々の続きをやり直すこと」


それが私の出した答え。

一途に私を想い続けてくれていた律希にこんな形で自分の気持ちを伝えることになって、私はもしかしたら律希と付き合わない方がよかったのかもしれない。

そうすれば、律希のことを傷つけなくてもすんだのに。

私は…本当に最低だ。

律希がいたからこそ本当の自分の気持ちに気づいてしまった。


「はーーーーーー」


自己嫌悪に陥っていると、突然律希が深いため息をついて座り込んでしまった。


「り、律希…?」