六月の月に愛を誓う。

「え、矢野…?」

「その前も沙耶ちゃんと行ったカフェでたまたま絢斗が働いてて、絡まれてたところを助けてくれたの…。電車でイチャイチャって、そんなことした覚えはないけど、あの時は距離感が近かったからそう勘違いされたのかもしれない」

「美緒先輩!」

「律希、待ってってば!」


ドクンと心臓が嫌な音を立てる。

渡り廊下の向こうから、律希と沙耶ちゃんが駆けてきた。

どうしよう。律希に、なんて説明すればいいんだろう。


「クラスのやつから聞いたけど、昨日男と一緒にいたって本当?」

「だから、美緒先輩は私とカフェに行ったって言ってるでしょ!」

「知ってるよ。先輩からもそう聞いてたし、俺はあいつらの話なんて信じてねぇ。だからこうやって先輩に話を聞きにきたんだろ!」


イラついたように声を荒げた律希に、ビクッと沙耶ちゃんが怯えたように肩を揺らしていた。


「…沙耶ちゃんとカフェに行った帰り、中学の…元彼と会って、最寄りが一緒だから途中まで一緒に帰ったの。誤解される真似してごめん。でも、絢斗とは何もないから。だから…」


ぐわんと突然視界が揺れて、気づいたら倒れていた。


「美緒!?」