六月の月に愛を誓う。

「…もう、ここまででいいから。私の家すぐそこだし、絢斗の家とは反対でしょ」


これ以上、絢斗と一緒にいてはダメだ。

私の中の本能がそう告げていた。


「わかった。だけどやっぱり心配だから、家着いたらちゃんと連絡して?」

「…うん」


早くここから去らなくては。

その思いで絢斗の顔も見ずに踵を返す。


「美緒」


しかし優しく名前を呼ばれ、進もうとしていた足がぴたりと止まってしまう。

振り向いたらダメだとわかっているのに、体が言うことを聞かずゆっくりと振り返る。


「またね」


優しく微笑んだ絢斗は、記憶の中の絢斗と何一つ変わっていなくて、どうしようもないくらい胸が締め付けられた。


…だから嫌だったのに。

私はこの人に、もう二度と会ってはいけなかった。

絢斗は一瞬で私の気持ちをあの頃に戻してしまうから…。