六月の月に愛を誓う。

ハッとそこで、付き合っていたことを沙耶ちゃんには話していないことに気づく。


「やっぱり。おかしいと思ったんですよね。ただの同級生の空気感じゃなかったし。元カレなんですよね?しかも見た感じ、未練ありって感じ?」

「ないよ!」


ガタッと勢いよく立ち上がってしまい、周りの人の怪訝な視線にハッと我に返って座り直す。


「未練なんて、一つもないよ…」

「…まあ、私は先輩が誰を好きだろうがなんでもいいですよ。他人が口出すことじゃないし。てか元カレのこと、律希は知ってるんですか?」

「いることは言ったことあるけど、別れ方とか再会しちゃったこととかは、なにも…」

「再会しちゃった?」


さっきからつい余計なことまで自分から話してしまう。

そんな馬鹿みたいな自分に頭を抱えたくなりながら、沙耶ちゃんに絢斗との出会いから別れまでを簡単に話す。

律希にもこうやって簡単に話せたらいいんだけどな…。


「へぇ、漫画みたーい」

「な…っ、別にそんなんじゃないよ…!」


沙耶ちゃんがホイップクリームを美味しそうに味わいながら、そんな感想をこぼしてきた。