六月の月に愛を誓う。

「名前なんて言うの?連絡先交換しようよ」


馴れ馴れしく肩に腕を回され、怖くて何も声が出なくなる。


「触らないで!先輩、店員さんに頼んで席移してもらおう」

「ちょっとちょっと、落ち着いてよー」


立ち上がった沙耶ちゃんの腕を一人の男子が掴んだ。


「離してよ!」

「もーそんなに怒らないでよー」

「や、やめてください…っ。私の大切な後輩には手を出さないでください…!」

「ええ?なに、可愛いー。別に何もしないからさ、ただ一緒にお茶したいだけ」


まだ肩に腕を回された状態で「ね?」と顔を近づけられ、反射的に目をつぶりながら顔を背ける。

どうしよう、怖い。

だけど沙耶ちゃんのことも守らないと…。


「ちょっと、あんたたちいい加減に…」

「ぐえっ」