六月の月に愛を誓う。

「…もうしないって誓ったけど、嫉妬して泣いてる美緒先輩も可愛いすぎるかも」

「な…っ、可愛くなんてないよ…!嫉妬してる時の自分が今までで一番性格が悪くなってたし…」

「えー何考えてたのか教えてよ」


ぎゅーと抱きつきながら、さっきまでの反省はどこにいったのやら楽しそうな様子の律希に、わざとふくれた顔をしてそっぽを向く。


「律希のやってること小学生みたいで嫌」

「えー!小学生!?たしかに俺、好きな子にちょっかい出してる小学生みたいかも…」


しゅんとしょげてしまった律希に大型犬を重ね合わせてしまい、ふっと思わず笑ってしまう。


「そんな律希も私は好きだけどね」


よしよしと頭を撫でてあげると、ぱっと一瞬で笑顔になった律希がさらに強く抱きしめてきた。


「痛い痛い。強いよー」

「愛が強いんで」


ちゅっと軽くキスをしてきた律希が、驚いている私に小さく笑うともう一度顔を近づけてきた。


幸せな時間を噛み締めながら、私の不安はまだ完全に消えたわけではなかった。

だって幸せはいつか一瞬で壊れるものだと、私はもう知っているから…。

この幸せを壊したくない。