「ごめん、先輩!全速力で走りすぎた…」
「い、いや、もう落ち着いたから…」
まだバクバクとうるさい心臓を落ち着かせながら、乱れた呼吸をなんとか整える。
律希が差し出してきた水を受け取りながら、グラウンドから少し離れた中庭のベンチに律希と腰掛ける。
しばらくはどちらも出場競技がないため、やっと二人きりでゆっくりと過ごせる。
水を飲みながらちらりと横に視線を向けると、ちょうどこちらを見ていた律希と目が合ってしまいどきりとして危うくむせそうになる。
「そ、そういえば、借り物競走のお題はなんだったの?」
あまりにも疲れすぎてとてもじゃないけど話せる状態じゃなく、律希のお題がなんだったのか聞けずにいた。
「ああ、これだよ」
律希が見せてきた小さな紙を受け取り、「え」と思わず声を漏らしてしまう。
そこに書かれていたのはたった一言。
“好きな人”だった。
「それで、私を連れていってくれたんだね…」
「当たり前じゃん。俺の“好きな人”は美緒先輩しかいないんだから」
「い、いや、もう落ち着いたから…」
まだバクバクとうるさい心臓を落ち着かせながら、乱れた呼吸をなんとか整える。
律希が差し出してきた水を受け取りながら、グラウンドから少し離れた中庭のベンチに律希と腰掛ける。
しばらくはどちらも出場競技がないため、やっと二人きりでゆっくりと過ごせる。
水を飲みながらちらりと横に視線を向けると、ちょうどこちらを見ていた律希と目が合ってしまいどきりとして危うくむせそうになる。
「そ、そういえば、借り物競走のお題はなんだったの?」
あまりにも疲れすぎてとてもじゃないけど話せる状態じゃなく、律希のお題がなんだったのか聞けずにいた。
「ああ、これだよ」
律希が見せてきた小さな紙を受け取り、「え」と思わず声を漏らしてしまう。
そこに書かれていたのはたった一言。
“好きな人”だった。
「それで、私を連れていってくれたんだね…」
「当たり前じゃん。俺の“好きな人”は美緒先輩しかいないんだから」

