六月の月に愛を誓う。

「律希を好きになるのは私の勝手でしょ?それにあんたたちだって本当は律希のことが好きだったから、私に近づいてきたくせに。美緒先輩のことも散々トイレで悪口言ってたのに、よく言うよね。あんたたちの声ってキーキーうるさいから、外にいても丸聞こえなの。律希に正々堂々と向き合う勇気もないし、裏で負け犬のように彼女の悪口言ってるようなダサいやつらなのに、いつまでも友達ごっこ続けてくるのいい加減やめてくれる?」


パンっと三人のうちの一人が沙耶ちゃんを叩き、思わず声を出してしまいそうになり口を手でおさえる。


「ほんっと腹立つ!律希と仲良い以外にあんたと一緒にいる価値なんてないんだよ!あんなに一生懸命だったくせに、結局地味な先輩に取られて残念だったね。負け犬はどっちだよ」


沙耶ちゃんにわざとぶつかりながら行ってしまった三人を確認してから、そっと沙耶ちゃんに近づく。

足音で気づいたのか、ばっと振り向いてきた沙耶ちゃんが驚いたように目を見開いてから、残念そうに目を逸らしてきた。

もしかしたら律希かも、と思ったのかな…?


「…ごめん、聞くつもりはなかったんだけど…」

「別にいいですよ。一緒にいたグループの子達に言いたいこと言えたかと思ったら、結局最後には図星つかれたダサい女だと律希に伝えてください」

「そんなこと言わないよ…!」


ポケットから出した未使用のハンカチに水道で冷たい水を含ませ、そっと沙耶ちゃんの頰に当てる。


「やめて…っ!同情のつもりですか?」


乱暴に手を振り払われ、その拍子に濡らしたハンカチも落ちてしまう。