六月の月に愛を誓う。

「薄情じゃね?」と言いながら鞄を持って近づいてきた律希に笑顔で返しながら、内心では不安が渦巻いていた。


「みんなって、さっきすれ違った時にいた子たち?律希といつも一緒にいるよね」

「そうそう。入学した時からずっとメンツ変わんないの。男女四対四の八人グループ」


律希の周りには常に人がいて、まるで太陽のような存在だ。

大人数グループの中心にいる律希に今まではどこか納得している自分がいてなんとも思っていなかったけど、そこには女の子も含まれているわけでその中には律希に好意を寄せている子だっているんだ…。

歳の差を気にしたことはなかったけど、今はなんとなく律希がすごく遠くにいるようなそんな気がしてしまう。


「先輩?どうかしたの?」

「あ、いや、えっと、沙耶って子と、特に仲が良さそうだったな…なんて思って」


言ってからハッと我に返る。

さすがにここまでは素直にならなくてよかったかもしれない。


「沙耶?あー、一番最初に仲良くなったのも沙耶だからじゃない?席が前後だったから話すこと多くて」

「…そうだよね、席が前後だと仲良くなるきっかけにもなるしね!さ、帰ろう。そろそろ先生が見回りに来るかもだし」


余計な人のことまで思い出してしまいそうになり、慌てて笑顔で誤魔化して律希の腕を引く。

…せっかく忘れていたのに、どうして今頃になってふと思い出してしまうのだろう。

こんな自分に嫌気がさす。