六月の月に愛を誓う。

「うん…。軽く話しただけ、なんだけど…」


梨花は驚くというよりはなぜか苦しそうに顔を歪め、俯いてしまった。


「梨花?」

「…あのね、私、実は矢野がこっちに戻ってきてたこと、知ってたんだ」

「…え?」

「文化祭の日、実は瑛太と会ってたの。その時に、矢野がこっちに戻ってきてること知らされて…。美緒にもちゃんと言わなきゃって思ってたんだけど、嫌なこと思い出させたくなくて、言えなかった。ごめんね…」

「そんな…全然いいよ。梨花が気にしないで」

「矢野がどうしてこっちに戻ってきたか、美緒は聞いた…?」

「え?ううん。聞いてないけど…」

「…そっか」


絢斗がどうして戻ってきたのか。

あの日、どうして急にいなくなってしまったのか。


気になるけど、もう絢斗と会うことはないだろうし、考える必要なんてない。


「美緒、大丈夫…?」