六月の月に愛を誓う。

「俺たち、もう無理だよ。…別れよ」


絢斗はそれだけ呟くと、踵を返して行ってしまった。


「ま…っ!」


追いかけようとするが、足がもつれて転んでしまう。

絢斗は一瞬止まりかけたが、私の方を振り向くことはなくそのまま行ってしまった。


「うっ…。うう…っ」


どうして。

どこで間違えてしまったの?


「う、うわああああ…っ」


幸せだったのに。

絢斗の隣にいられればそれでいいとそう思っていたのに…。


こんなことなら、六月のあの日、絢斗に出会わなければよかった。

思い浮かぶのは、絢斗と笑い合っていた幸せな日々ばかりだった。


絢斗は、その日を最後に、私の前から姿を消した…。