六月の月に愛を誓う。

クリスマスやお正月くらい一緒に過ごせるといいな、とそう思っていたのに、その期待が一瞬にして打ち砕かれる。


「どうしても、ダメなの…?」

「うん…ごめん。冬休みが終わったらすぐに大会なんだ。それが終わったら春までしばらくは大会がないから落ち着くと思う。だから、冬休みが終わってから…」

「…なんで?そんなに私より部活が大事なの…?」


言いたくなかった本音が、ついに溢れて止まらなかった。


「絢斗がサッカーを大事にしてる気持ちはわかるよ。誰よりも応援だってしてる。力になりたいって思うよ。…だけど、もう全部苦しいの。冬休みが終わったら?たしかに少しの間は一緒にいれる日が増えるのかもしれないけど、また大会が近づいてきたらどうなるの?また私より、サッカーを優先させるの…?そんなの、もう嫌だよ…」

「嫌って…仕方ないんだよ…。俺だって美緒と色々なところに行きたいと思ってる。もっと美緒といたいよ。…だけど、サッカーも大事なんだ。俺にとってのサッカーはただの遊びじゃないんだ」

「わかってるよ…!仕方ないって毎日思ってる…!」

「じゃあもう少し我慢してよ。サッカーもやってるのに美緒にも気を遣えって言うの?どっちも両立なんてできないんだよ」

「何…それ。我慢なんて嫌ってくらいしてる…!絢斗の邪魔になりたくなくて、LINEも電話もしてないし、学校で疲れて寝ている絢斗と話せなかったり、デートだってしたいけど毎日我慢してる!なのにこれ以上もっと我慢しなきゃいけないの…?こんなに付き合ってて苦しいなら、絢斗と付き合わなければよかった!」

「…俺だって、美緒のことを好きにならなければよかった。やっぱり恋愛なんて、しなくてよかったんだ」


どうして、こうなってしまったの…?