六月の月に愛を誓う。

ふと、校門を出たところで絢斗がすっかり暗くなった空を指差した。


「本当だ。綺麗な満月だね」

「…あ、そうだ」


何かを思いついたように絢斗が私の方を向いてきた。


「月が綺麗ですね」


いたずらっ子のような顔をしている絢斗の言葉の意味がすぐにわかってしまい、思わずふっと笑みが溢れた。

最近現代文でやった夏目漱石の言葉で、“月が綺麗ですね=あなたのことを愛しています”という意味だ。


「月が綺麗ですね」


絢斗と同じ言葉を返して、二人して顔を見合わせて笑う。

そのまま絢斗の顔がゆっくりと近づいてきて、満月の下、初めてのキスをした。


そんな幸せな毎日に、私はずっと絢斗の隣にいるのだとそう信じて疑わなかった…。





「みーおー!三ヶ月、おめでとうー!」