六月の月に愛を誓う。

「うー…そんなの、絢斗さんと二人でいることじゃん…」

「先輩とは後でいくらでも話せるんだから、早く会場行ってよーぜ」


少し拗ねながらも納得した様子の沙耶ちゃんを、律希は優しく笑いながら頭を撫でていた。


「あ、美緒先輩、絢斗さん、結婚おめでとうございます」


沙耶ちゃんと部屋を出て行こうとしていた律希がふと思い出したように振り返り、あの頃と変わらない眩しい笑顔で笑った。


「うん、ありがとう」

「先輩は今、幸せ?」


まるで答えがわかっているかのように優しく微笑む律希に、私もとびっきりの笑顔で返す。


「うん。誰よりも幸せだよ。律希と出逢えてよかった。私に幸せをくれてありがとう」


律希は「こちらこそ」と残すと、今度こそ沙耶ちゃんと出て行った。


「あの日から俺の想いは変わらないよ。この先ずっと。美緒の幸せを願ってる人はたくさんいるかもしれないけど、誰よりも一番俺が美緒の幸せを願ってるしこの手で幸せにする。何度だって誓う」

「私もだよ。二人で…ううん、これからは三人で、これからもずっと幸せでいようね」


つい最近知った、新しい命が宿っているおなかをさすると、絢斗が今までで一番驚いた顔になりそして笑った。


私はもう大丈夫。

あの日月に誓った約束は、これからもずっと続いていくから。

愛おしい君の隣で…。