運命の相手は、大嫌いなアイツ!?



「ほんと、真絢も物好きだよな。電子辞書があるってのに、今どき紙の辞書って……」

「いいの。私は中学の頃からずっとこれを使ってきたから。これが一番使い慣れてるの!」


七海学園に合格するため、苦手な英語の勉強もこの辞書と一緒に死に物狂いで頑張ったんだから。愛着があるんだ。


「なぁ。ちょっとそれ、俺に貸してみ?」

「えっ」


櫂が突然、私のカバンを奪うように取る。


「ちょっと、返してよ櫂」


私が取り返そうと手を伸ばすと、ひょいとカバンを私の届かない高さに持ち上げられた。


「えー、やだね。返してやんねぇよ」


そう言って櫂は、カバンを更に高く持ち上げる。


「もう! 櫂ったら、意地悪ー!」


私は、櫂からカバンを取り返そうと、ぴょんぴょんと何度もジャンプする。


「やっべぇ。俺からカバンを取り返そうと必死な真絢、可愛すぎんだけど」


そう呟いた櫂の声は、カバンを取り返すことに必死だった私の耳に届くことはなかった。