「あっ、でもお前は別に来なくていいぞ」

ヨハンが野良猫を追い払うような仕草をしながら言い、一花が「こら!」と叱る。そんな時、オリバーのスマホに電話がかかってきた。

「はい、オリバーです。あれ、リティクどうしたの?えっ?カレーを作り過ぎたから食べに来てほしい?」

そういうわけで、五人は今、リティクが住んでいるセーフハウスへと足を運ぶことになったのだ。



「どう?おいしい?」

ドキドキした様子でリティクは訊ねる。桜士はナンにカレーをつけ、恐る恐る口の中に入れた。刹那、口に広がる何種類ものスパイスに口の中や脳が刺激される。辛い。とても辛い。だがーーー。

「リティクさん、これすごくおいしいです!」

甘ったるいスイーツは苦手だが、辛いものは桜士は食べられる。桜士がそう言うと、リティクは「よかった」と微笑んだ。

「おかわりしていい?」

食べ終わった一花が言い、リティクが「いいよ、いっぱい食べて」と皿を受け取る。すると、ヨハンが「俺も!おかわり!」と言い、桜士もおかわりをすることにした。