家の近くのスーパーに、サラダ用の野菜と卵を買いに行く。
柊が心配するからすぐに帰らなきゃと思う。
秋になって随分涼しくなり、都会だというのに、道路脇の草むらからは虫の音が響いていた。
あたしは車のライトに照らされながら、スーパーへと急ぐ。
そんななか……
「山形先輩?」
急に声がした。
驚いて顔を上げると、目の前にはあたしと同じように驚いた男性が立っていた。
見覚えのある男性。
だけど、記憶の中の彼よりずっとずっと大人になっている。
彼は柊と同じく背が低かった。
顔も童顔だった。
学年も一つ下であたしに懐いてくれていた、可愛い弟だった。



