「……お洒落じゃなくねぇよ」


柊は言う。


「お前、俺が知らないうちに、どんどん女っぽくなりやがって。

化粧して、スカート穿いて……」


そして彼は続けた。


「俺が置いていかれちまうだろ……」



何を言ってるの?

それ、本気で言ってるの?

どれだけあたしが頑張っても、柊みたいに輝かないことは分かっている。

柊だって分かっているから、いつもテキトーな服を着ているんでしょ?




柊は頬を染めたまま、ゆっくりあたしに近付く。

ヤバい時の柊の顔だ。

そしてそのまま、綺麗にしてもらった髪に手を伸ばす。

髪はさらさらと、柊の手の間を落ちた。


「すげぇ綺麗……みどり……」