「柊……」


愛しいその名前を呼ぶ。

彼はあたしだけに見せる優しい瞳で、あたしを見る。


「今日も……ぎゅってして欲しい……」



我ながら、なんてことを言っているんだろう。

キャラじゃないと分かっているのに。

それなのに、柊は笑い飛ばしたりしない。

すごく幸せそうに目を細め、あたしの手をぎゅっときつく握る。


「みどり……毎日、キツくないか?」


甘い心地よい声。

なんだか色っぽいその声に、全身の毛穴がきゅーっとなる。

身体がもう、熱を持つ。


「柊がしてくれないと、キツい」