「うー、寒っ」 柊がわざとらしく言い、コートのポケットに手を突っ込む。 「誰か暖めてくれる奴、いねーかな」 無視してやろうか。 それとも…… あたしは何も言わず、柊に身を寄せる。 そんなあたしに、柊はそっと腕を回す。 柊はこうやって、いつも優しくあたしに触れてくれる。 柊といると、女の子で良かったなあと心から思う。 柊に寄りかかり、ゆっくり歩く。 柊はあたしをそっと抱き止め、静かに言う。 「すげー幸せ」 何言ってるの。 あたしのほうが、幸せ。