柊はあたしを無視して続けた。
「みどりを初めて抱いた時と、プロポーズする時……」
あたしは顔が真っ赤だ。
そして、照れ隠しに柊を引っ叩こうとする。
それを柊は、見事に分厚いメニュー表で防御した。
「お前の攻撃なんて、見え見えだ」
勝ち誇った顔でにやつく。
やばい、あたしの完敗だ。
「俺様に勝とうなんて、十年早い」
「あんた、マジでうざい!!
もう、本ッ当にうざい!!」
顔を真っ赤にして柊に言った時、奴の携帯が振動した。
柊は顔を歪め、携帯を耳に当てる。
そして、電話先の相手に向かって吐き出した。
「ハァ?取り込み中なんだけど」
こういう尊大な柊、嫌だな。
どうしてこうも俺様なんだろう。
柊はそのまま立ち上がり、携帯を耳に当てたまま出て行ってしまった。
「……んだよ。電話かけてくるな」
なんて言って。



