それにしても、日本代表戦が終わってから、柊の人気は格段に上がった。
そして、親善試合のおかげかスタジアムにはいつも以上に人がいた。
戸崎柊の名前があちこちから聞こえてきて、内心震え上がる。
あたしが妻だと絶対に知られたくないと思った。
沙知も含め、このスタジアムにいる大多数の女性が、あたしよりも「いい女」に見えるから。
それに……
「ねえ、今日ももちろん柊出るよね?」
沙知が聞く。
すると、前列の人たちが思いっきりあたしたちを見た。
だからあたしはビビりながら言う。
「で、出るのかなぁ!?」
そう、妻だと知られたくないから。
いつまでこうやってビクビク過ごしているんだろう。
高校時代みたいな目に遭わないことは、もう頭では分かっているのに。



