だけど今の柊は違う。

あたしが本当に気にしているんだと、勘違いしているらしい。



「みどりしかいねぇんだよ。

分かるだろ?」


柊は半ば焦ったように言う。

そんな柊がたまらなく愛しい。



当時は心配だったけど、今は全く心配ではない。

柊に愛されていることが分かるし、すごく大切にしてくれるから。

今の柊はまるで飼い犬みたいに、あたしの周りから離れない。

あの頃の野良犬柊からすれば、信じられないほどの豹変ぶりだ。

そしてあたしはデレデレしながらも、やっぱりいつものやり取りをしてしまう。