沙知の言葉に泣きそうにすらなった。

あたしは、高校時代の出来事のせいで、沙知のことを心から信用していなかった。

むしろ、会いたくなかった。

だけど今の沙知はあたしのことを心配してくれて、柊と結婚したことも喜んでくれる。



「ねえ、凪。

俺、帰ってもいい?」


樹君が帰りたそうにしているけど、


「樹さんも柊さんに頼まれたんだよね?」


凪君が逃げないように樹君のシャツを引っ張りながら言う。


「樹さんも親善試合、一緒に観る人いないんでしょ?

楽しもうよ」


そんな二人を見て笑っていた。

そして、はやく柊の姿を見たいと思ってしまった。