荷物をまとめて一人で帰ろうとした。 誰も付き添ってくれるはずもないし、お願いもしていない。 今後のことを考えると不安だけど、あたしは元気だ。 これからまた、いつもと同じ毎日を過ごすんだろう。 柊がいない家に帰るのは寂しいけど、少しの我慢だ。 「戸崎さん、親善試合、今日ですね!」 看護師さんたちに最後のお礼を言うと、彼女たちは笑顔で言ってくれる。 戸崎柊の妻はたいしたことないと、不満そうな顔をすることもない。 そんな看護師さんたちにホッとする。 そして、戸崎みどりなんだと改めて思う。