「みどり……」
甘く切なく余裕のない声。
正直意外だ、柊がこんな声を出すなんて。
百戦錬磨でいつも余裕の柊だったのに、みどりを前にするとこんなにも必死なんだと思って。
「みどりが好きなんだよ……
こんなにも……こんなにもみどりが好きなんだ……」
みどりは柊の髪をそっと撫でた。
柊はまるで犬のように、みどりに擦り寄る。
「好きだ、みどり。
お前しかいないんだよ。
だから……不安にさせるな」
「ごめんね、柊」
みどりは、柊に身を寄せたまま静かに告げる。
「あたしにも、柊しかいないんだよ……」
柊はみどりに手を回す。
そして、割れ物に触れるようにそっと抱きしめる。
みどりは柊に身を寄せ、柊を見上げる。
そんなみどりに、柊はそっと唇を重ねた……



