「初、デートしよっか」
突然だった。
紺くんが、あの紺くんがデートに誘ってくれるなんて!!
「もちろんです!します!デート!!」
「じゃあ明日の朝10時、ここ集合で」
ダイニングテーブルに片手をついてそう言うと、おやすみー、と私の頭に手を乗せてロフトへ上がっていってしまった。
どうしよう、何着よう。
紺くんがもう寝床へ行ったことをいいことに、クローゼットの服を床に広げる。
春だし、買ったばかりのピンクのワンピースにしようかな。
でも動きやすいようにズボンのがいい?
いやいや、カフェラテ色の膝丈スカートとか!
どうしよう、どれにするのがいいんだろう。
引っ張り出しては鏡の前で合わせてを1時間くらい繰り返して、やっと決まった。
少しプクッと膨らんだ袖の白いトップスに、薄紫のジャンバースカート。
明日は髪、ちょっとだけ巻いてみようかな。
決めた服を自分の個人スペースへ持って行って、指でクルクルと髪をいじる。
楽しみだなぁ、明日。
寝床に入ってからも、可愛い髪型を調べたり、どこへ行くのか決まってるのかな?どこ行くのかな?と想像してみたりして、しばらく眠りに付けなかった。