秘密恋愛短編集

「これ、昨日家に帰ってから自分で作ったの。たくさんもらったから、もういらないかもしれないけど」


「いる!!」


私の手から奪うようにしてクッキーの袋を取り上げる英祐に、つい笑ってしまった。


「そのクッキーは学校で作ったのよりも甘さ控えめにしてあるから、きっと食べやすいよ」


「さすが桃子。俺のことわかってるな」


「それとさ、お弁当のことなんだけど」


そう言うと英祐は眉を下げて申し訳なさそうな表情になった。


「毎日毎日運ばせてごめんな?」


「ううん。その理由をおばちゃんから聞いたから、もういいよ」


「は!? 聞いた!?」


慌てる英祐に頷いて見せると、英祐の顔は一瞬にして真っ赤に染まってしまった。


おばちゃんが暴露してくれたことは本当のことだったみたいだ。


「なんで言うかなぁ~!」