自室の机にひじをついて手にあごを乗せ、私は大きくため息を吐き出した。


視線の先には大好きなクラスメート、及川聡くんの写真が飾られている写真立てがある。


この写真は秘密高校2年生の頃の体育祭で、彼が組体操をしているところをこっそり隠し撮りしたものだった。


写真の中の彼はてっぺんでまっすぐに立ち、空へ向けて両手を伸ばしている。


太陽光を受けてキラキラと輝くその姿は背中に翼が生えて飛んでいってしまいそうにも見える。


彼は天使だ。


間違いなく、私にとっては天使。


うっとりと写真を眺めてまた大きくため息を吐き出した。


秘密高校3年A組、成瀬理恵。


こんなに人を好きになったのは人生ではじめてです!