うちの学校――コスモ学園は、ちょっと特殊な学校。

「国のエリートを育てる」という目的でつくられた学校で、全国からトップレベルに優秀な生徒ばかりを集めてるんだ。

入学試験もめちゃめちゃむずかしくて、なぜかスポーツテストなどの実技試験まであるし。

生徒たちは、みんなそろって頭脳明晰なのはもちろん、ほかにもスポーツや音楽、プログラミングなど、いろんな特技を持っていて。才能あふれる天才ばかりなの。

そんな学校に、なんで私が入れたのかって? それはもう奇跡だとしか言いようがない。

私がこの学校を受験しようと思った理由は、ふたつあって。

〝全寮制で、学費が無料だったから〟なんだ。

いつだったかテレビで「ウワサの超エリート学園!」だなんて紹介されているのを見たときは、まさか自分が入れるなんて思ってもみなかった。

私は小さいころに親を交通事故で亡くしていて、親戚の家に引き取られて育ったし、その家では義理の両親たちからジャマものあつかいされて、肩身のせまい思いをしてきたから。

お金のかかる中学受験なんて、絶対させてもらえないと思ってた。