先生の言葉でまた、教室の中に緊張感が走る。

ピ、ピ、ピ、というタイマーの電子音だけが、あたりに響いている。

私も解体マニュアルのテキストを見ながら、とにかく順序をまちがえないようひとつずつ慎重に部品をはずしたり、コードを切って解体していった。

この模型、すごくよくできていて、成功したら音楽が流れるかわりに、一歩でも手順をまちがうと、「ブブーッ!」って防犯ブザーみたいな爆音が鳴るから、けっこうドキドキするんだ。

ミスしたら最初からやり直しになっちゃうし……。

制限時間は10分だけど、10分でもみんなけっこうギリギリで。

私も毎回残り時間1分残せればいいほう、といった感じだった。

だけど、そんな時。

「終わりました」

「はーい。俺も終わり~」

ふたりの男の子が、ほぼ同時に手をあげて。

その瞬間、模型から解除成功のメロディー音が鳴り出したので、みんなギョッとした顔で彼らのほうに目をやった。

だって、まだ解体をはじめて、5分も経っていないんだもの。

こんなに早く終わっちゃうなんて、普通じゃ考えられないよ。

だけど、その普通じゃないことをやってのけてしまうのが、このふたり――。