「えー、それじゃあ今からタイムを計るぞ。みんな制限時間10分以内に解体するように」

1年Z組の教室に、先生の声が響きわたる。

今は、爆弾の解体や解除方法について習う『爆弾処理』の授業中。

デジタルのタイマーがついた時限爆弾の模型を使って、制限時間内に解体をするというものなんだけど、ニセモノとはいえ本格的な構造をしているから、けっこうむずかしい。

うちのSP科は、こういう特殊な授業がたくさんあって。

暗号の解読や、射撃の練習まであるし、ほかにも政治学や心理学、交渉術、各国の言語など、覚えることがもりだくさん。

もちろん、国語数学などの一般科目もちゃんとやるけれど、エリートぞろいのうちの学校では、普通の学校の倍のスピードで授業が進むんだ。

しかも、授業でやることすべてが成績につながるから、一日たりとも気を抜けないの。

「タイムはそのまま成績になるからな。終わった者は手をあげて知らせてくれ」