また、この力のせいで、小学校でもつらい思いをたくさんした。

そのきっかけになったのは、四年生の時。運動会のリレー練習でのできごと。

アンカーを走る予定だった、学年で一番足の速い男の子が、練習中に転んで骨折してしまう予知を、偶然見てしまったんだ。

なんとか防げないかと思った私は、その男の子に「今日だけアンカーを代わってほしい」って言った。

私はこう見えて運動は得意なほうで、その子ほどじゃないけど足が速かったから、頼めば代わってくれるかなと思って。

でもその子は「絶対嫌だ」と言って、代わってくれなかった。

彼はみんなから注目されていたし、期待されていたから、なおさら。

だけど、だからこそ私は本番前に骨折なんてしてほしくなくて。

あせったあげく、とっさにバカみたいなことを口にしてしまったんだ。

「骨折するって占いで出てるから、危ないよ」って。

こんなこと言わなければよかったのに、子供だった私は、ほかに説得する理由が思いつかなかった。