どうしよう。こんなはずじゃなかった――。


私は今、ものすごーく困っていた。

もしかしたらこれ、人生最大のピンチかもしれない。

目の前には、キラキラしたイケメン男子4人が、私を取り囲むようにして立っている。

みんなから学園のトップ4だってさわがれている、アイドル的存在の4人組。

彼らみたいな目立つ人たちと関わることなんて、絶対ないと思ってたのに……。


どうしてこんなことになっているのかって?

それは、私のあるヒミツを、彼らに知られてしまったから。

「キミ、不思議な力を持ってるんだって?」

サラサラ金髪の王子様みたいな男の子が、私に問いかけてきた。

そう。この学園では誰にも知られたくなくて、ずっと隠してたんだけど……。

じつは私には〝特別な力〟があるんだ。

自分でもよくわからない、生まれつき持っていた、不思議な力。

でも、それのせいでたくさん嫌な思いをしてきたから、ある時からずっと、力のことは誰にも言わずに隠してきた。なのに……。

私がうっかりその力を使っちゃったから、彼らにそれがバレてしまったの!

学校では目立たないようにしようって、気をつけてたのに。

よりによって、こんな学園のアイドルたちに知られちゃうなんて……!


「お願いがあるんだ」

金髪の男の子が、一歩こちらに歩みよってくる。

そして私が目を合わせた瞬間、彼は信じられないことを口にした。

「プラネットのメンバーに入って、俺たちと一緒にスパイ活動をしてくれないか?」


そう。この日を境に、私の平和な学園生活は終わりをつげたんだ――。