始めにさわりです…


戦後日本の極道界を動かしてきた東西2大広域組織の傘下に組み込まれることなく、独立系ヤクザの雄として業界を席巻してきた相和会の会長相馬豹一が持病で逝去したその夏…。
旧来から相和会吸収に執念を燃やしていた関東広域組織直系の有力組長・東龍会の坂内は、さっそく系列下の星流会会長・諸星を前面に立て、相和会へのけん制に出ていた。だが、その実態は表面上の目くらましだった。

坂内は相馬亡き後の新体制を擁立した相和会の目をそらし、その間隙を縫って、自らがパートナーシップを結んでいた非ヤクザの”NGなきワル”大打ノボルを相和会の縄張り内に、あくまでガキ勢力の範疇で送り付け、ガキ市場確立の下地を敷いていたのだ。

そのカラクリをいち早く察知した本郷麻衣の相談役的ポジションにいた三田村峰子は、坂内ー大打ラインの壮大な悪だくみを看破し、麻衣を通じて相和会最高幹部の剣崎が知るところとなった。

ガキルートをめくらだましにした東龍会の”荒らし”に、灯台下暗しを突かれた形となった剣崎は強い衝撃を受ける。
危機感を抱いた剣崎は、3代目トップの座に就いた矢島や相馬の兄弟分である伊豆の大親分・明石田と謀り、相馬亡き後の軸足を関西広域組織に移ししていた新路線を前面に打ち出す決意のもと、麻衣と相和会幹部の・倉橋との婚約披露パーティーに関西の大物たちを大挙招聘し、対関東への大々的な戦線布告とする方針を決する。

同時に、麻衣の発案により、大打グループの”張り”拠点として新規オープンした大型娯楽センター”ジャッカル・ニャン”へは、南玉連合や墨東会とは一線を画した元南玉トップで相馬豹一遠縁の娘、さらに倉橋の婚約者となった麻衣自身が相和会外部の立場として単身殴り込みをかけるオペレーションに着手、まずは単身ジャッカル・ニャンに乗り込むみ、大打ノボルの実弟・武次郎に真っ向からケンカを売るのだった。
そして伊豆での婚約披露前日…、麻衣は再度ジャッカル・ニャンで大打ノボルと対峙…、一触即発ながら、ノボルからは麻衣の弱点を掴んでいると宣告されるにとどまった。

一方、南玉連合を脱退し本郷麻衣とは絶縁状態に至っていた横田ケイコは、麻衣の婚約披露の日、17歳の誕生日を迎えていた。
その日ケイコは、元恋人のテツヤと妹の美咲によるとりもちによってケイコの母親が折れ、家を出て同棲していたアキラとともに家に呼ばれていた。。

かくして、家に戻ったケイコがアキラとともにささやかなバースデーを過ごしている頃、麻衣と”撲殺男”倉橋の婚約披露パーティーはヤクザ界のそうそうたる顔ぶれをが揃った中、華々しく開催されるのだが…。