その4
剣崎
相馬豹一という人は、こういったタイミングの見定めにおいては天才的だった
動物のカンのような才能なんだろうが…
何しろだ…、いつもそうだが”この展開”に至ると、もう一方の”大手”が決まって蠢くのが定番でね(苦笑)
今回は関東がそれに当たる訳だ
”よし、そろそろ動くか…”
”東西いずれも傘下に組み込めない、目障りな独立系の相和会など、隙あらば側面攻撃で撃沈させてやろう…”
そんな欲が抑えきれなくなり、何かの材料を探しては、そこに付け込んで攻め口とする
めでたく相和会が”大手”の軍門に下れば、もう一方もそれ相応の戦果を主張し、獲物の割譲を要求だ
ハハハ…、あさましい限りだって
...
なので、我々独立系の一匹狼としては、そうとなれば時間をかけずに終局へと走りこむが勝ちとなる
案の定、今回も関東がすでに動いているようだったしな
どうやら”相和会”番筆頭格である東龍会の坂内さんが、水面下で来るべき収まりどころを見越して暗躍してるらしい
毎度、ご苦労なこったわ(苦笑)
ただ、坂内さんの視点は今回ではなく、あくまで”次”の布石にあるようだ
おそらく”今回の最後”には、関西と何らかの”対相和会”合意取り持ちに出張る
あの人はその辺の目利きじゃあ、業界屈指だ
相馬会長の見立てでは、九州の枝同士の衝突を誘発してその和解調停の場を相和会対策会議にすり替えるだろうと…
ならば、こちらはそれをも織り込んで手を打っていく…
...
そこで、I組の発砲と同時に明石田の叔父貴には、まずは西に向けて相和会の”大義”を高らかに掲げてもらった
その際、”西の御大”助川さんを介してもらい、このことのより、西にはいわば天の声として山彦のように響き渡るって按配だ
特に今回の戦争は、日本人を今だ黄色いサル扱いする白人至上主義者組織に追従するポチ、I組による売国行為だと吹聴してやったんでね…(笑)
相和会の大義は業界から理解を得やすいケースだったわ
...
その結果、関西本家は敏感に”世論”を察知、即座に反応を示してくれたわ
I組トップには訓読を入れ、奴ら、アッという間に手にした刀を鞘に収めたよ
米マフィアのツルみ仲間には、一応、けんか相手と向き合ったアリバイ作りは経た訳だし、対米感情が絡めれば、海の向こう側も渋々納得って寸法だった
これに関東も同調…
相和会への攻撃ネタ探しは即中断となったわ
結局、助川さんの主導でこの一件は幕引きとなった訳だが、予想通り、表向きの仲裁役は九州調停を兼ね、坂内さんがその実をとった
まあ、さすがだった
要するに、東龍会と田代組は今後も油断できないってことだ
...
もっとも…、今回のI組とのケンカは、相和会の完勝だった
I組のトップは相馬さんの代理・明石田さんに詫びを入れての落着となったんだ
しかも、その席では、相和会が海外へ逃がした気の毒な日本人女性には、SJPO関連の人間が今後一切の接触をしない旨の同意を取る義務がI組に課された
さらに、関西本家のてっぺんからも、”その要望”を求める一筆を添えてアメリカに届けられる決定がなされたって訳さ
このアメリカを巻き込んだ一連の抗争騒動は、業界全体に相和会の侍魂を強く印象つけて、以後、語り草となったよ(笑)
剣崎
相馬豹一という人は、こういったタイミングの見定めにおいては天才的だった
動物のカンのような才能なんだろうが…
何しろだ…、いつもそうだが”この展開”に至ると、もう一方の”大手”が決まって蠢くのが定番でね(苦笑)
今回は関東がそれに当たる訳だ
”よし、そろそろ動くか…”
”東西いずれも傘下に組み込めない、目障りな独立系の相和会など、隙あらば側面攻撃で撃沈させてやろう…”
そんな欲が抑えきれなくなり、何かの材料を探しては、そこに付け込んで攻め口とする
めでたく相和会が”大手”の軍門に下れば、もう一方もそれ相応の戦果を主張し、獲物の割譲を要求だ
ハハハ…、あさましい限りだって
...
なので、我々独立系の一匹狼としては、そうとなれば時間をかけずに終局へと走りこむが勝ちとなる
案の定、今回も関東がすでに動いているようだったしな
どうやら”相和会”番筆頭格である東龍会の坂内さんが、水面下で来るべき収まりどころを見越して暗躍してるらしい
毎度、ご苦労なこったわ(苦笑)
ただ、坂内さんの視点は今回ではなく、あくまで”次”の布石にあるようだ
おそらく”今回の最後”には、関西と何らかの”対相和会”合意取り持ちに出張る
あの人はその辺の目利きじゃあ、業界屈指だ
相馬会長の見立てでは、九州の枝同士の衝突を誘発してその和解調停の場を相和会対策会議にすり替えるだろうと…
ならば、こちらはそれをも織り込んで手を打っていく…
...
そこで、I組の発砲と同時に明石田の叔父貴には、まずは西に向けて相和会の”大義”を高らかに掲げてもらった
その際、”西の御大”助川さんを介してもらい、このことのより、西にはいわば天の声として山彦のように響き渡るって按配だ
特に今回の戦争は、日本人を今だ黄色いサル扱いする白人至上主義者組織に追従するポチ、I組による売国行為だと吹聴してやったんでね…(笑)
相和会の大義は業界から理解を得やすいケースだったわ
...
その結果、関西本家は敏感に”世論”を察知、即座に反応を示してくれたわ
I組トップには訓読を入れ、奴ら、アッという間に手にした刀を鞘に収めたよ
米マフィアのツルみ仲間には、一応、けんか相手と向き合ったアリバイ作りは経た訳だし、対米感情が絡めれば、海の向こう側も渋々納得って寸法だった
これに関東も同調…
相和会への攻撃ネタ探しは即中断となったわ
結局、助川さんの主導でこの一件は幕引きとなった訳だが、予想通り、表向きの仲裁役は九州調停を兼ね、坂内さんがその実をとった
まあ、さすがだった
要するに、東龍会と田代組は今後も油断できないってことだ
...
もっとも…、今回のI組とのケンカは、相和会の完勝だった
I組のトップは相馬さんの代理・明石田さんに詫びを入れての落着となったんだ
しかも、その席では、相和会が海外へ逃がした気の毒な日本人女性には、SJPO関連の人間が今後一切の接触をしない旨の同意を取る義務がI組に課された
さらに、関西本家のてっぺんからも、”その要望”を求める一筆を添えてアメリカに届けられる決定がなされたって訳さ
このアメリカを巻き込んだ一連の抗争騒動は、業界全体に相和会の侍魂を強く印象つけて、以後、語り草となったよ(笑)



