夢を見た。

昔のこと。

昔、ナナミから言われた言葉。

『わたしおおきくなったらめーちゃんのおよめさんになる~!』

4歳か5歳くらいの時だ。

だけどその後、中学生になった頃には…。

もしかしたら、小学生の時にはもう…。

イクヤのことを好きになっていた。

それは仕方がないことだ。

人の心は変わっていくものだから。

俺が後悔するべき点はそこじゃない。

ナナミがイクヤへの告白を決めた時だ。

あの瞬間が、俺にとってのラストチャンスだったんだ。

何かしら伝えていれば、ナナミも俺のことを意識するようになり、今が変わっていたかもしれない。

とは言え、過ぎてしまったことを考えても何も生まれない。

もう答えは出ている。

今からでもナナミに告白するしかない。

ダメだったとしても…。

まずはただの友達じゃないよって。

俺も異性なんだよってことを分かってもらおう。

ナナミにとって幸せかは分からないけど…。

それにイクヤには申し訳ないよな…。

謝るしかない。

俺だって10年以上好きなんだ。

想いの強さでは負けない!

ん…?

そもそもイクヤはなんでナナミと付き合い始めたんだ?

イクヤの口から、ナナミを好きって聞いたことないような…。

照れてるだけか…?