決心をした次の日。

さっそくめーちゃんの家に向かった。

7時に家の前に着いたんだけど、ほんの数分でめーちゃんが家から出てきた。

授業が始まるのは、8時50分からなのに。

めーちゃんが玄関の近くにある郵便受けを通過した。

わたしはそのタイミングで声をかけた。

『おはよ〜!』

『…ナナミ。』

めーちゃんが驚いた顔でこちらを見ている。

迷惑だったかな?

『久しぶりだね〜!元気〜?一緒に学校行こうよ~。』

『…おう。』

テンション低いな、めーちゃん。

まだ眠いのかなぁ。

わたし達は横に並んで歩き始めた。

久しぶりに会えたことが嬉しくて、わたしはめーちゃんにいっぱい話しかけた。

『いつもこの時間に出てるの~?はやくない〜?』

『日によるけどな…。』

『そうなんだ~。早起きして学校に行って何してるの~?掃除とか~?』

『…勉強してる。来年は受験だし、今のうちから準備してんの。』

『え〜。えらいね~!やっぱめーちゃんはマジメだな〜。あんまりマジメ過ぎちゃうと、脳みそ固まっちゃうよ~!』

『…そうだな。』

なぜか会話が続かない。

あれ?

めーちゃんってこんなに暗かったっけ?

寒いから?

体調悪いのかな?

今までだったら、固まらねーよ!とか言いそうなんだけど…。

『えーと…。そうだ!めーちゃん。たまには息抜きしようよ~!何か美味しいもの食べに行こうよ~。』

『…ナナミ。』

めーちゃんが話し始めた。

『俺、今は色々と忙しいんだ。ごめんな。行けない。後、今日来てくれたのは嬉しいけど、朝は特に冷え込むし、風邪をひくかもしれない。だからもう…。来なくていいよ。』

『めーちゃん…。』

本当にどうしちゃったんだろう。

毎日じゃなかったし、たまにだけど。

一緒に学校行ってたよね…?

そんなこと言うような人じゃないよね?

来なくていいよなんて…。

どうして…?

『めーちゃんどうしちゃったの!?なんかおかしいよ!体調悪い?何かあった!?』

『健康だし、何もないよ。…急にどうした。大きな声出して。落ちつけよ。』

『落ちつけないよ!めーちゃんおかしいもん!変わっちゃった!わたしの知ってるめーちゃんじゃない!』

『俺だって人間だ。変わることくらいある。それに…。』

めーちゃんは、少し寂しそうな目をして言った。

『…先に変わったのはお前らの方だ。』

『えっ…?』

『お、学校着いたぞ。じゃあな。』

そう言ってめーちゃんは、わたしを置き去りにしてスタスタと早歩きで行ってしまった。

わたしが変わった?

何を言ってるの?

何も変わってないよ?