僕はカナメくんの様子が見たくて、彼の通学路で待ち伏せをしていた。

恐らく、今日は寝不足に違いない。

しばらくするとカナメくんがやってきたので、偶然を装って近づいた。

『おはよう、イクヤ。』

向こうから挨拶をしてくれた。

あれ?

顔色は普通のようだ。

『おはようカナメくん!そういえば、聞いた?ナナミちゃんから僕達のこと…。』

『聞いた。すげーよな。まさかまさか。ついにイクヤに彼女か。悔しいな。俺もはやく彼女作りたいな!』

『僕自身が一番びっくりしたよ。カナメくんかっこいいから、彼女なんか余裕でしょ!』

『全然だ!まあ。ナナミとうまくやれよ!じゃあな!』

『うん!またねー!』

僕達は交差点で別れて、それぞれ通っている学校て歩き出した。

どうやら眠れなくなるほどショックは受けてないけど、苦しんではいるみたい。

嬉しかった。

カナメくんは初めてだと思う。

こんなにも僕のことを考えるなんて。

もっと僕のことを考えて欲しい。

頭の中は僕のことでいっぱいになって欲しい。